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頭痛

2016年12月5日

頭痛は、疾患などの原因がないのに頭痛が繰り返して起こる「機能性頭痛」と、原因がはっきりしている「症候性頭痛」の2つに大きく分けられます。

「機能性頭痛」は、慢性頭痛、頭痛持ちの頭痛とも言われ、片頭痛、緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)、群発頭痛がこれに該当し鍼灸の良い適応となります。

一方、「症候性頭痛」は脳などの疾患が原因で起こる頭痛であり、脳卒中や外傷による硬膜下血腫、脳腫瘍など、生命の危険を伴うこともあるので要注意です。以下のような症状の場合は、一刻も早く病院で精密検査を受けてください。

・ハンマーで殴られたような激痛、今まで経験したことのない痛み
・片側の手足、顔半分の痺れ、麻痺が起こる
・呂律が回らない、言葉がうまく出ない
・他人の言うことが理解できない
・力があるのに立てない、歩けない、ふらつく
・片方の目が見えない、物が二重に見える、視野の半分が欠ける

現在、日本人の3~4人に1人(約3000万人)が「頭痛持ち」と言われています。そのうち70%以上が緊張性頭痛、25%が片頭痛、0.03%が群発頭痛で、クモ膜下出血・脳腫瘍による頭痛は、毎年約1~3万人に発生すると言われています。男性よりも女性のほうが頭痛の症状を訴えることが多く、筋緊張性頭痛の6割、片頭痛の8割が女性です。これはホルモンの関係と考えられています。

鍼灸治療の対象になるのは、「機能性頭痛(緊張型頭痛・筋収縮性頭痛・片/偏頭痛・群発頭痛)」ですが、これらの特徴と治療方法について見ていきます。

 

緊張型頭痛・筋収縮性頭痛の鍼灸治療

原因は、首の筋肉の緊張とそれに伴う血管や神経への圧迫で起こります。緊張性頭痛の症状としては、後頚部から後頭部にかけて鈍痛や帽子をかぶったような感じ、圧迫感、頭重感、締め付けられた感じがあります。時には側頭部や前頭部の方にも症状が現れ、ほとんどの場合が首や肩のコリや痛みを併発しています。

このタイプの頭痛の発症はゆるやかで症状が比較的長く続き、お風呂に入ったりして温めたりすると楽になります。
頚椎の上部からは頭へ、中央部や下部からは頚、肩、手に神経が走っているので、前傾時に頸椎が頭を支えるという負担が大きくなれば、頭痛だけでなく頚コリ、肩コリも併発しやすいのです。

鍼灸による治療では、頸椎上部のコリのある筋肉が神経を締め付けやすいので、ここを緩めてあげれば症状をとることができます。ツボでいうと天柱、風池、完骨に相当します。鍼は、筋肉がコリ固まって緊張性頭痛の原因となっている所に直接アプローチするので断然効果的です。

 

片頭痛の鍼灸治療

片頭痛の症状は、頭の片側がズキンズキンと脈打つような拍動性の強い痛みに襲われます。このような痛みが月に1~2回、多い人では週に1~2回発作的に起こり、数時間から3日間ほど続きます。頭痛に伴って吐き気がしたり、また、光や音に過敏になったり、体を動かすと痛みがひどくなるため、片頭痛発作が始まると、部屋を暗くして洗面器をかかえて寝込んでしまうこともあります。

片頭痛の痛み自体は、休息や睡眠により和らぎます。発作が治まると次の発作が起こるまで全く症状がみられなくなります。

頭痛が起こる「前兆」として、約10~20分間、視界がチカチカしたりギザギザした模様が広がって、ものが見えにくいといった症状が出る場合もあります。これを「閃輝暗点」と呼んでいます。

東洋医学では全身の血液の流れのバランスを重視します。頭痛の多くは頭部の方へ血液が過度に供給され、手足など末梢の循環が悪い状態です。手足に行くはずの血液が頭部にそのまま留まるので、頭部が充血してパンパンに張りつめた状態になり頭痛を起こすわけです。これを治すには頭や頚への治療だけでなく、手や足といった末梢のツボを刺激し、頭に上った血を手足の方へ誘導していかなくてはなりません。

また、鍼灸には拘縮した血管を拡張するだけでなく、拡張しすぎた血管を収縮させる機能も持っていますので、それを用いて頭頸部において血液の流れを正常に戻します。このように局所治療と全体治療を併用していかなければなりません。
局所治療である頭部のツボは、緊張型頭痛と同じ天柱、風池、完骨の他に百会、正営、承霊などが用いられます。

 

群発頭痛・群発性頭痛の鍼灸治療

群発頭痛の症状は片側の眼の奥が激しく痛みます。「キリで眼の奥を突かれる」様な痛みと表現されることもあります。発症する時間帯は夜間に多く、一旦発作が始まるとおよそ30分から2時間程続きます。群発頭痛は発症期間に特徴があり1~3ヵ月にわたって続き、特に春から梅雨の時期にかけて多発します。

原因はよくわかっていませんが、片頭痛のように頭蓋外血管の異常拡張が関係していると考えられています。また症状の範囲からみて三叉神経の関与も疑われます。

群発頭痛に対する鍼灸治療の方法は、緊張性頭痛や片頭痛とあまり変わりありません。どの頭痛も首や筋肉のコリ感や痛みを訴えている場合がほとんどです。群発頭痛も同じように首の筋肉、特に頭に近い上部の筋の緊張をとります。

2016年12月5日

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