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円形脱毛症

2016年12月5日

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因については、様々な説が提唱されていますが、近年では、「自己免疫疾患」という免疫機能の異常を原因とする説が有力です。さらに誘因として、疲労や感染症などの肉体的・精神的なストレスや、遺伝的・体質的な素因が加わります。

自己免疫疾患
「自己免疫疾患」とは、外部からの侵入物を攻撃することで私たちの体を守ってくれている免疫系機能に異常が生じ、自分の体の一部分を異物とみなして攻撃してしまう病気です。円形脱毛症は、炎症反応を鎮めるために働くTリンパ球が、毛根を異物と間違えて激しく攻撃してしまうために発症すると考えられています。しかし、なぜその様な異常が生じてしまうのかは、まだ明らかになっていません。

また、円形脱毛症は、橋本病に代表される甲状腺疾患、尋常性白斑、SLE、関節リウマチ、あるいは重症筋無力症などの各種自己免疫疾患に併発する場合があります。

アトピー素因
アトピー素因とは、アトピー性疾患(アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎のいずれか)を持っていることを言います。アトピーの原因として、体質的なものと環境的なものが影響していると考えられており、円形脱毛症はアレルギー疾患を持つ人の方が、持たない人より多く発症していると言われています。アトピーも円形脱毛症も、「自己免疫疾患」と言う免疫異常が原因の一つとされています。

精神的ストレスによる影響
円形脱毛症の発症要因のひとつとして、「精神的ストレス」が挙げられます。精神的ストレスを受けると、ストレスに抵抗するために交感神経が活発に動きます。交感神経は、心肺を活発化し体温を上げます。このとき、ストレスが強すぎたり長く続いたりすると、交感神経に異常をきたし、その結果、血管を収縮させ、頭部への血流が悪くなり、毛根への栄養補給が行き届かなくなって脱毛が引き起こされると考えられます。

また、ストレスは、毛根への栄養補給を妨げるだけでなく、「自己免疫疾患」や「内分泌異常」などのさまざまな疾患を誘因すると考えられています。

出産後の女性ホルモン値の変化
妊娠から出産後における女性ホルモンの減少も、原因の一つと言われています。妊娠中、体内の女性ホルモン値は通常の100倍以上に増加していますが、出産により一気に通常値に戻ります。女性ホルモンが減少すると抜け毛につながることから、毛周期との関係で産後3~4ヵ月後に抜け毛が多くなります。多くの場合は、頭髪全体のボリュームが減る産後脱毛となりますが、このときに、円形脱毛症になることがあります。

さらにアトピー素因を持つ場合、それが加速されやすいと言われています。ホルモンバランスだけでなく、育児の忙しさによる食事の偏りや出産のストレスが加わることもあります。

円形脱毛症の鍼灸治療

: 脱毛部周辺に、細鍼にて1cm間隔で弾入程度の散鍼を行います。また、脱毛部全面に皮膚鍼、または梅花鍼で皮膚刺激を30秒から1分程度行います。

: 脱毛部が1cm以内のときはその中央に半米粒大の艾で3~5壮、施灸します。脱毛部が2cmか、それを越えるときは脱毛部境界部に1cm間隔で単刺し、さらにその境界部に3~4箇所にわたり施灸を行います。また、脱毛部以外では、天柱または風池、身柱、肺兪、至陽、膈兪に単刺、天柱、大椎、身柱に半米粒大の施灸を3~5壮行います。

その他

皮膚疾患は大腸経が関係するので、円形脱毛症においても大腸経の治療を重視して実施すると効果的です。すなわち、曲池、合谷、内関に単刺、曲池に灸5壮を施灸します。なお、内関は大腸経ではありませんが、精神的ストレスが疑われるときは重要です。 

 

2016年12月5日

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