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咽頭痛、口腔痛

2016年12月5日

咽頭痛、口腔痛の原因となる疾患はいろいろ考えられますが、どのような原因であっても鍼灸治療における対処法はほぼ共通しています。

咽頭痛の原因として多いのは、ウイルス感染による咽頭粘膜及びリンパ組織の炎症である急性咽頭炎(かぜ症候群の初期状態)ですが、それが慢性化した慢性咽頭炎も対象となります。かぜ症候群の初発症状で適切な治療を施すことによって合併症や持病の悪化を防ぐことができます。咽頭痛はとくに飲食の嚥下時に激しい痛みが伴います。

扁桃は、咽頭粘膜内に発達したリンパ網様組織で、口峡を中心にワルダイエル扁桃輪を形成していますが、中でも口蓋扁桃が最も重要となっています。口蓋扁桃は上気道における感染防御の機能を担っていて、常に炎症に曝露されている生理的炎症臓器であるといえます。扁桃炎の原因は、細菌感染であり、起炎菌としてはレンサ球菌、ブドウ球菌、肺炎球菌などです。通常、風邪や免疫低下、気候の変化、あるいは過労などによって発症しますが、発熱、頭痛、全身倦怠を初発症状とし、39~40℃の高熱を発し、ときには悪寒戦慄を伴います。

咽頭炎、扁桃炎に対する鍼灸治療は、症状が初期の段階か、あるいは症状が安定した状態を対象とし、高熱及び悪寒戦慄を伴う場合は対象外となります。そして、症状の場所に応じた経絡治療と慢性化を阻止する為の免疫力増強を目指した治療を行い、慢性咽頭炎に対しては体質改善を目的とした全身治療を行い、免疫力低下の要因を是正することによって症状を軽くすることができます。

口腔の炎症には、粘膜に粟粒大の水疱を生じるアフタ性口内炎、口唇・頬粘膜ヘルペス、口角に潰瘍のできる口角糜爛症、舌粘膜の発赤と腫脹、舌苔を生じるカタル性舌炎などがあり、鍼灸が良い適応になる場合があります。

 

咽頭痛、口腔痛の鍼灸治療

:翳風、風池、大杼、天容、扶突(または傍廉泉:廉泉と胸鎖乳突筋前縁の中間)、曲池
皮膚鍼:脘鍼にて前頸部から後頸部の皮膚にかけて30~40箇所への接触刺激、特に腫脹して圧痛のあるリンパ節の部分にはその直上と周辺に集中的に接触鍼を行います。
:風府、大杼に7~15壮、合谷に20壮を施灸します。
刺絡:大腸経に圧痛・腫脹などの熱症状がある場合は商陽、小腸経の場合は少沢、三焦経は関衝に対して刺絡を行います。

2016年12月5日

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