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VDT症候群(コロナ禍のテレワーク)

2021年1月26日

VDT症候群とは

VDT症候群とは、パソコンや携帯電話などのVDT(Visual Display Terminals)機器の長時間作業を原因として生じる心身の異常です。即ち、眼や身体に支障をきたしたり、抑うつ状態になる、不安感がつのるなどの精神的な症状が生じます。スマートフォンや携帯ゲームなどの過剰な使用も原因になります。また、自宅でのテレワークに伴いパソコンを使った作業が増加、これらIT産業の発達に伴い近年、大きな社会問題となっている病気です。

 

  • 眼症状では、集中して凝視し続ける作業でまばたきの回数が少なくなり角膜が乾燥するため、痛みを感じたりかすみがかかったりする、いわゆるドライアイになりやすいのです。その他、目の疲れ(眼精疲労)、視力低下などをきたします。

 

  • 身体の症状としては、同じ姿勢で作業を続けることから、首、肩、腰のコリや背中の痛みが起こります。また頭痛や吐き気を伴うこともあります。さらにストレス環境による自律神経の失調は、頚部や肩甲骨周囲の筋を異常に緊張させ、より強い頚・肩コリや頭痛の要因になると考えられます。交感神経優位で血行が不良となるためこれらの症状がさらに増強し悪循環を引き起こします。

 

  • 心の症状としては、ストレスから心身症や神経症に発展します。自宅でのテレワークが増えて、他人と交わることのない孤独な作業から、うつ状態になることもあります。

 

「平成20年技術革新と労働に関する実態調査」の結果によると、以下のとおり多くの方がいろいろな症状を訴えています。

 

VDT症候群の治療

パソコン作業の際、自律神経中枢は脳を交感神経優位に維持しながら多種多様の仕事をこなします。しかし、画面を見るなど近くのものを注視するときには、副交感神経の刺激を毛様体筋に送らなければなりません。交感神経を優位にしながら、目に対してだけは副交感神経の刺激を出し続けなければならない矛盾が、眼精疲労の原因だと言われています。眼精疲労を伴う症状は、肩こり、頭痛、頭重感、全身倦怠、のぼせやふらつきなどですが、これらは自律神経失調症と似ています。

 

交感神経も副交感神経も、根本の部分は脊髄の中にあるため、胸椎と腰椎を刺激することで、交感神経と副交感神経に影響を与えることができます。しかも、脊柱の両脇には交感神経が通るパイプのようなものがあり、内臓につながるツボも並んでいるため、このラインを刺激することで交感神経と副交感神経のバランスを取り戻すことができます。

 

私どものマッサージ・指圧、および鍼灸は、胸椎や腰椎の棘突起(背骨の中央にある大きな突起)の両側を揉捏、指圧したり、鍼や灸で内部の筋や神経を刺激する手技ですので、自律神経のバランスの乱れを整え、正常な状態に戻すことが可能です。

 

 

  • 姿勢の問題から生じることが多い頸、肩のコリは、頚椎上部の筋肉が硬直しそこを走る血管や神経を圧迫するので、脳への血流を阻害し頭痛だけでなく、うつ病やパニック障害などの精神症状も併発しやすいのです。鍼灸による治療では、頚椎上部の筋肉を緩めることでこれらの症状をとることができます。頸、肩、背中のコリの治療については、「頚椎症肩コリ背中のハリ」の項目をご参照ください。

 

 

VDT症候群の予防

現代社会においては、労働衛生上でもその管理が重要とされています。厚生労働省では、VDT作業をする人の心身の負担を軽減し、VDT作業を支障なく行うための「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を平成14年に策定。作業環境管理、作業管理、健康管理などに関して細かく基準を定めています。

 

◎作業環境

・ 室内は、著しい明暗の対照がなく、まぶしさを生じさせないようにする

・ 太陽光が入る場合は、窓にブラインドやカーテンを設ける

・ 反射防止型ディスプレイを用いる

・ ディスプレイの位置、前後の傾き、向きを調整してグレア(映り込み)を防止する

 

◎作業時間

・ 連続作業時間が1時間を超えないようにする

・ 連続作業と連続作業の間に、10~15分の休止時間を設ける

・ 連続作業時間内に1~2回程度の小休止を設ける

 

◎作業姿勢

・ 椅子に深く腰をかけてしっかり背もたれに当て、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とする

・ 40cm以上の視距離が確保できるようにする

・ ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにする

 

2021年1月26日

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