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咳(気管支炎)
2016年12月5日
咳について
咳(咳嗽・がいそう)は、外から入ってきたほこり、煙、風邪のウイルスなどの異物を気道から取り除こうとする生体防御反応です。そのことで肺や気管などの呼吸器を守ります。
咽頭や気管、気管支など気道の粘膜表面に異物が入り込むと、咳受容体というセンサーが感じ取り、脳にある咳中枢に刺激が伝わると、横隔膜や肋間膜などの呼吸筋に指令が送られ、「咳反射」という反射的な収縮運動が起こります。しかし、反射とは言え、意志によりある程度の制御も可能です。
咳嗽を引き起こす疾患の鍼灸適応症としては、慢性気管支炎を初め、軽度な急性気管支炎、気管支拡張症などがあります。
咳には、気道にたまった痰を外に排出する役割もあります。気道粘膜には細かい毛(繊毛)と、その表面を覆う粘液があり、粘膜の表面を潤して保護しています。この粘液がウイルスや細菌などの病原体やほこりなどの異物をからめ取ったものが「痰」です。気道に炎症があると痰が増え、粘り気が強くなります。痰は、外にむかって異物を追い出そうとする繊毛の運動と、咳反射によって外に出されます。痰を伴わない乾いたせきのことを乾性咳嗽(空咳)と言い、痰や喀血を伴う湿ったものを湿性咳嗽と呼びます。
なお、咳嗽が続くとエネルギーを著しく消耗するので、風邪などで咳嗽が続く場合は栄養状態に注意する必要があります。せきを鎮める鎮咳薬は基本的に咳中枢に作用しますが、必要な咳嗽をも止めるリスクがあります。学会ガイドラインでは、明らかな上気道炎などにとどめ、中枢性鎮咳薬の使用はできる限り控えることとされています。その他、気管支を広げ呼吸を楽にする気管支拡張剤(アドレナリンβ2受容体刺激)、痰の除去を促進する去痰薬や小青竜湯、麦門冬湯などの漢方薬もよく使われます。
咳(気管支炎)の鍼灸治療
灸: 肺兪、天突、中府、腎兪(背部、胸部への温灸も効果的)
2016年12月5日
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