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坐骨神経痛
2016年12月5日
坐骨神経痛とは
1.腰椎・仙椎に関連する坐骨神経痛(◯:主疾患、△:准疾患)
◯ 変形性脊椎症
◯ 腰部椎間関節(主として仙腸関節)
△ 椎間板ヘルニア
△ 脊椎すべり症
△ 腰部脊椎管狭窄症
腰部圧迫骨折
黄色靱帯骨化
2.脊髄に関連する坐骨神経痛
脊髄腫瘍
限局性髄膜炎
脊柱管内血管異常
3.その他の疾患に伴う坐骨神経痛
◯ 梨状筋症候群
◯ 関節リウマチ
◯ 糖尿病
△ 子宮筋腫
◯ 妊娠
まず、直立状態から前屈に入った時の坐骨神経の放散痛がある(ゴールドフラム徴候)かどうかを確認します。痛みがあれば陽性となります。経過観察のために前屈して症状が出た時の指先と床との距離を測定・記録しておきます。腰椎棘突起の叩打痛、あるいは棘突起・棘突起間の圧痛を検査します。そのことにより罹患椎を特定できることがあり、鍼灸治療点のヒントを得ることができます。次に坐骨神経を伸展させたときの症状を調べるために、膝関節と股関節を屈曲させて下肢を挙上し、そこから膝関節を伸展していきます。この時に症状が出るもの(ラセーグ徴候)を陽性とします。同様に膝関節を伸展させたまま下肢を挙上し、症状の出現状態を診るのをSLR(下肢伸展挙上テスト)と呼んでいます。椎間板ヘルニアの同定に重要な検査でもあります。神経痛の部位の確認としては、太い神経が体表に現れる部位での圧痛を調べます。場所としては臀部の梨状筋や大腿後面中央、ふくらはぎの外側部です。また、障害を受けている神経根の部位により対応する足の指に感覚障害が生じます。検査は筆により感覚異常の場所を確認し、障害部位を推定します。梨状筋の過緊張を検出するために、SLRで陰性の時に下肢を挙上して大腿を内旋させたとき疼痛の有無を調べるボンネット・テストや、下肢を交叉させて患側の大腿の内転と内旋により疼痛を起こさせる梨状筋緊張試験を行います。
坐骨神経痛の鍼灸治療と療養
傍神経刺とその他の鍼
療養
坐骨神経痛は多くが慢性的疼痛であり、場合によっては安静時でも激しい痛みに苦しめられることもあります。この様な場合は絶対安静が必要ですが、患側を上にして側臥位をとり股関節・膝関節は共に少し屈曲して、できるだけ坐骨神経を伸展させないようにします。それでも痛む時は腹部に枕を入れて腹臥位になるとよいでしょう。低温のカイロなどによる長時間保温は局所の血液循環を改善し、筋肉の緊張を和らげるので勧められますが、高温の入浴は一時的に血管拡張で痛みの改善が得られるものの、後に血管収縮でかえって痛みが増すことになりますので注意が必要です。低温で長時間の入浴かシャワーが良いでしょう。飲酒も入浴と同様なことが起きますので、禁酒または節酒が肝要です。
2016年12月5日
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