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  • 2019年2月1日

    関節痛とは

    関節痛とは、関節に痛みがみられる症状のことで、この症状は、関節における外傷、感染、あるいは痛風発作などによる炎症、または医薬品のアレルギーなどによって現れます。左右両方の関節、手足の関節が同時に痛む場合は、関節リウマチなど全身性の病気が考えられます。これらの鑑別を行う場合は、筋肉の痛みや発熱、身体がだるいか、片方の関節か両方か、慢性か急性か、朝夕で差があるかなど、関節以外の症状や症状の現れ方を確認してみる必要があります。

    関節痛の症状

    1. 急に強い症状が現れた場合(痛風、化膿性関節炎)

    足のつま先に痛みや腫れが現れたり、高尿酸血症の経験があったりする場合、痛風が疑われます。発作の際には尿酸値が高いとは限らず、治療で急に尿酸値が低下した場合にも症状が現れることがあります。

    悪寒や発熱、急な膝関節の腫れが現れた場合や、皮膚に傷があったり、手術や注射をしたりという場合、化膿性関節炎の可能性があります。この様な場合には、緊急で対応する必要があります。

     

    2. 複数の関節で長期間症状が続く場合(関節リウマチ、膠原病、その他関節痛に関連する病気、変形性膝関節症、肩関節周囲炎)

    左右両方でほぼ同時に症状が始まり、手首や指の関節中心に朝に症状が強い場合、関節リウマチが疑われます。痛みは気候や体調にも左右されますが、多くの膠原病でも似た症状を伴います。

     

    膝関節のしくみ

    膝関節は、骨格のうちで最長で最強の大腿骨と脛骨を連結する関節で、体重の支持と安定性を保つと共に広い可動性と高度な運動性が要求されるため、複雑な構造をしており障害を生じやすいのです。膝関節は大腿骨、脛骨、膝蓋骨から構成される関節であり、脛骨の外側にある腓骨は関与しません。脛骨の関節部分はほぼ平らな形をしていて、その上を大腿骨の丸い先端が転がるようにして動き、機能的には蝶番関節に近い構造です。両骨の間には線維軟骨による外側半月と内側半月が介在します。この関節は伸展位で接触面が大きく、屈曲位では小さくなります。

    屈伸運動は、大腿骨の脛骨上の転がり運動と滑り運動による複合運動です。完全伸展位から屈曲初期には転がり運動のみですが、徐々に滑り運動も加わり、最終的には滑り運動のみとなります。さらに、伸展時に外旋状態だった脛骨は、屈曲が始まると同時に内旋を深めていきます。この様な複雑な動きを持つ膝関節を安定させるために、大腿骨と脛骨をつなぐ四つの靱帯(前十字靭帯、後十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯)と二つの半月板(内側半月、外側半月)が重要な役割を果たしています。さらに、膝蓋骨と膝蓋靭帯は大腿四頭筋腱、内側靭帯支帯、外側靭帯支帯、大腿筋膜張筋の下部である腸脛靭帯で補強されます。内側側副靭帯は外側屈曲、過伸展、過屈曲、外旋を抑制していますが、その表層には縫工筋、薄筋、半腱様筋が集結する鵞足に覆われています。また、外側側副靭帯は過伸展、内旋を抑制し、表層に大腿二頭筋腱またぐように二分して腓骨頭に付着しています。また、膝窩の外側は大腿二頭筋腱で、内側は半腱様筋腱と半膜様筋腱で上部が作られ、腓腹筋の外側頭と内側頭とで作られた菱形の陥凹部を形成しています。

    関節の内面は、間に半月板をはさみ滑らかな軟骨で覆われています。更に関節包で包まれており、その内側の滑膜から関節液が分泌され、潤滑機能を果たしています。

     

    膝関節痛の原疾患(△は准疾患、×は鍼灸適用外)

    1.関節症:

    ◯変形性膝関節症: 関節部の退行性変化と増殖性変化を起こす疾患を言い、高齢者の膝関節症の90%以上を占めています。最初は膝のこわばりから痛みに進行し、安静後の初動に痛みが出ます。座位から立位に変わるとき、階段の下りに痛みます。自発痛は膝蓋骨の下部から膝の内側にかけての関節裂隙に起き、圧痛もあります。関節の可動性は徐々に失われていきます。変形した関節は元に戻ることはありませんが、疼痛や滲出液による腫脹は鍼灸治療で回復できる例が多くあります。

    △神経障害性質関節症: 神経障害により内顆部に骨折を生じやすい疾患です。疼痛は軽度ですが、腫脹が高度で関節の動揺があります。関節の安静が必要で、鍼灸は骨折のないものに対して補助的に行います。

    2.炎症疾患: ×化膿性関節炎、×結核性関節炎

    ◯慢性関節リウマチ: 関節リウマチの中で、膝が最も症状が出ることが多い部位です。初め鈍痛と熱感があり続いて滲出液の貯留により腫脹します。鍼灸は疼痛と腫脹を減じるのに役立ちますが、完全治癒は多くの場合困難です。

    3.膝内障: ×半月板損傷、×十字靱帯損傷

    △側腹靱帯損傷: 内側側副靭帯の損傷が膝の靱帯中では最も多く、膝をわずかに屈曲したときの外反、外旋で起きる。大腿骨内側顆の腱起始部に圧痛があり、運動制限が生じます。

    4.滑液包疾患: ×滑液包炎、×膝窩部嚢腫

    5.その他: ×骨の壊死・外傷

    痛風: 過剰に生産された、あるいは排泄が不十分で過剰に残存した尿酸結晶が関節組織に付着し、好中球の捕食活動などで生じた残骸などから生じる大きな炎症反応と神経組織への刺激によって、甚大な痛みを伴って発病します。90%以上が成人男性に起き、遺伝的素因があると言われています。足の第1趾のMP関節に好発しますが、足関節、膝関節から発症することもあります。急性発症は夜間に多く、突発的激痛となります。膝では関節裂隙に現れやすく、腫脹と圧痛があり熱感を伴うこともあります。疼痛、腫脹は鍼灸により症状を軽減することができます。

    △偽痛風: ピロリン酸カルシウム結晶によって起こる滑膜炎で、痛風に似た疼痛発作を起こすものです。男女関係なく高齢者に起き、膝関節に多く発症します。強い痛みは2~3日続き、1~2週間で症状はおさまります。鍼灸で血流を促進させ、疼痛や発赤を除くことが考えられます。

    △膝蓋軟骨軟化症: 膝蓋骨の関節軟骨面の一部に軟化、亀裂などの変化が生じて、大腿膝蓋骨関節に力が加わったとき痛みが出るもので、変形性膝関節症と同様の症状となりますが、10~20歳代に見られる疾患です。安静を保ちながら鍼灸を行えば、変形性膝関節症と同様の効果が得られます。

     

    鍼灸治療

    鍼灸: 犢鼻、内膝眼、膝内、委中

    犢鼻、内膝眼、膝内はいずれも膝関節裂隙に配列している経穴です。

    膝関節の内側に痛みを訴える場合は、曲泉、血海、陰谷、後血海、陰包、陰陵泉を施術穴に加えます。

    膝関節外側の場合は、梁丘、膝陽関、委陽、(中瀆)

    膝関節前面の場合は、血海、梁丘、(陰市)

    膝窩の場合は、陰谷、委上、合陽、(委陽)

     

    療養指示

    膝関節痛で激しい炎症を起こしていない限り、長期間の安静はかえって症状を悪化させます。軽い適度な運動を継続して行った方が関節の血行を良くし回復を早めます。膝の負担をかける正座や和式トイレの使用は避けてください。同様に長時間立ち続けたり、長時間座り続けるのも膝関節を固めてしまうので良くありません。また、膝を温めること、冷やさないことも重要です。

    膝関節の負担を軽減するには、積極的に膝周りの筋肉を鍛えることが重要です。中でも特に重要なのが大腿部前面の大腿四頭筋です。大腿四頭筋は関節を安定化させるだけでなく、関節面への衝撃を緩和することができます。運動による痛みの改善効果は高く、痛み止めの薬を服用するよりまるかに優れた根本的な治療方法となります。

     

     

  • 2018年11月30日

    めまいの種類

    めまいには、回転性めまいと非回転性めまいとがあります。回転性めまいは、自分自身や周囲がグルグル回るようなめまいを言います。一方、非回転性めまいには身体がグラグラ揺れる動揺性めまい、フワフワするような浮動性めまい、立ちくらみ等があります。

     

    めまいの原因

    めまいを引き起こすものには、耳に原因があるもの(前庭系・蝸牛【内耳】系)、脳の中に原因があるもの(中枢系)、それ以外に原因があるものに大きく分けられます。

    1.耳の病気によるめまい

    1)良性発作性頭位めまい症

    起き上がった時や振り向いたときなど、頭の位置を変えた時だけに起きるめまいで、頭を動かさずに安静にしていれば徐々に改善し、1分以上持続することはありません。また、耳鳴りや難聴になることもありません。安静にしているより運動する方が良いです。耳石の一部が半規管の中に入り込むのが原因の障害です。

    2)メニエール病

    内耳が内リンパ水腫と呼ばれる状態になるために起きる病気です。激しい耳鳴りと回転性めまいが突然出現し、突然同時に止まることを繰り返し、多くは難聴や耳閉塞感を伴います。10分から数時間続きますが何日も持続することはありません。

    3)突発性難聴

    突然に片方の耳(まれに両側の場合も)が聞こえなくなり、その後延々と数週間続きます。この点がメニエール病と異なります。突発性難聴では半数が回転性めまいを伴います。

    4)前庭神経炎

    風邪を引いたような上気道炎の前兆があり、強い回転性めまいが突然出現し、数時間から数日続くことがあります。耳から脳に続く前庭神経が炎症を起こしている状態で、末梢性めまいとも呼ばれています。数週間後にめまいは治ります。安静が治癒を促進します。

     

    2.脳が原因のめまい

    めまいを起こす病気で生命の危険を伴う注意すべき疾患があります。嘔吐・眼振・頭痛を伴う口唇の痺れ・2ヵ月以上の原因不明のめまい・一定方向の頭位で発症等が見られる場合は、直ぐに専門医で診断を受けるべきであり、鍼灸治療の対象ではありません。高齢者や心疾患・糖尿病・高脂血症などの合併症を持っている方は、特に注意が必要になります。

    生命の危険があり注意が必要なめまい・・・脳血管障害・脳腫瘍

    脳血管障害のめまいには、脳の血管がつまる脳梗塞と血管が破れてしまう脳出血・くも膜下出血があります。脳血管疾患以外のめまいには脳腫瘍が原因のこともあります。脳の中で平衡感覚の中枢は脳幹・小脳ですが、この近辺での出血・梗塞・腫瘍によりめまいを生じます。特に脳幹に近い部位での障害は即、生命の危険が生じます。血圧が急に上昇したり、突然片側の手足に力が入らなくなったり、片側の顔の動きが悪くなったり、ろれつが回らなくなったりします。激しい頭痛をともなうこともあります。そのほか物が二重に見えたり、顔や手足の感覚がにぶくなったり、耳が聞こえにくくなったり、まっすぐ歩けなくなったりします。

     

    3.耳や脳以外が原因のめまい

    めまいは耳や脳以外の原因で起こることがあります。

    1)血圧の異常

    めまいは、低血圧でも高血圧でも起こる可能性があり、起立性低血圧では立ちくらみを生じます。また、高血圧でも場合によってはめまいの原因となります。

    2)貧血

    貧血は、食事の偏りや妊娠・出産・生理を原因としておこります。全身の不調に加え、めまいをともなうことがあります。貧血では全身倦怠感、疲労感、動悸、息切れがみられます。高齢者の脳貧血は脳梗塞につながるため注意が必要です。

    3)自律神経失調症

    自律神経のバランスが崩れると、冷えやのぼせ、動悸など全身症状が起こります。この時、耳鳴りやめまいが出現することがあります。また、自律神経は血圧の調整に関わっているため、低血圧=脳貧血となります。

    4)更年期障害

    更年期にホルモン分泌が変化し、そのために全身の症状が出現します。症状としては、肩こり、疲労感、頭痛、のぼせや発汗が多く、めまいをともなうこともあります。

     

    めまいの鍼灸治療

    共通治療として、内耳・前庭につながる側頭骨の経穴を使います。いずれの経穴も耳後から耳中、耳中から耳前を通り眼に至る経路であり、平衡障害の治療に最適な位置にあります。さらに前庭と半規管の血流を盛んにし、内リンパの調整にも欠かせない経穴です。

    鍼灸: 翳風、完骨

     

    以下のように、めまいの病症に合わせた治療を追加するとなお効果的です。

    1)前庭系(肝経症状)・・・めまいが主症状

    鍼: 風池、肝兪、肩井(曲泉)

    2)蝸牛【内耳】系・・・耳鳴り・難聴・耳閉感が著明に表れるもの

    鍼: 耳門、天柱、内関(外関)

    脾兪、中脘・・・ 消化器系の症状が出る場合

    3)中枢系・・・浮動性めまい、絞扼感、頭の鈍痛を伴うもの、自律神経失調も含まれる

    鍼: 上天柱、大杼、肺兪、腎兪、復溜、曲池

    4)項背痛(肩こり)

    鍼: 頚百労、肩井、肩外兪、大杼、肺兪

    5)乗り物酔い(加速度病)予防

    灸: 足三里、中央厲兌

     

    療養指示

    めまいの予防では安静と睡眠を充分とるようにし、睡眠不足にならないよう生活リズムを整え、嗜好品に注意する必要があります。精神的ストレスや過労により自律神経失調症を起こしてしまうと、めまいの原因や悪化するきっかけとなります。肩こり、胃腸障害、感冒なども発症の要因となりやすいので、不摂生をしないような養生が必要です。

     

     

     

     

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