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自律神経失調症(心身症)

2016年12月5日

2種類の自律神経の役割

自律神経は意識的な制御ができない不随神経で、平滑筋、心筋および腺に分布し、そのうちの遠心性神経は交感神経、および副交感神経に分けられ、各々役割分担を持っています。交感神経が、外敵や外からの刺激に瞬時に反応できるように体勢を整えるのが特徴的な役割だとすれば、一方の副交感神経は、リラックスするための神経で、緊張した身体を休めて疲れを解消したり、修復したりしておくのが役割です。

交感神経と副交感神経の働き

 交感神経  副交感神経
循環器・呼吸器・筋肉: 体を活発に動かすのに必要な酸素を全身に運ぶために呼吸と心臓の鼓動が速くなり、呼吸回数の増加、血圧の上昇、脈拍数の増加が起こる

血液循環が良くなり体温が上昇。上昇した体温を下げるために、汗をかくメカニズムが働く

血管が収縮するため筋肉は硬く緊張した状態になり、末端部分は冷えやすくなる

大量の酸素は必要としないため、呼吸や拍動は緩やかになり、血圧も下降
消化器・臓器系・感情・感覚神経系: 脳からはドーパミンやノルアドレナリンというアドレナリン物質が分泌され、外からの刺激に対して敏感に反応できるようになる

血液を筋肉や脳に集中させるため、消化器官の活動は抑えられる。この状態が長く続くと、消化器官が正常に働かず消化不良や胸やけの原因となってしまう

また、イライラしたり、感情が不安定になりやすくなる

睡眠不足状態が長く続くと、睡眠のサイクルが狂い自律神経と副交感神経の切換がうまくいかず、自律神経失調症のきっかけとなってしまう

胃・腸・腎臓・肝臓・生殖器官などの臓器が働き出す

食べた物を消化・吸収して体内を修復したり、必要なエネルギーとして各臓器にためる

副交感神経の働きが活性化すると休息モードとなり、眠気を催す

全身: アドレナリンには血管に対しては収縮作用があるため、副交感神経との切り替わりが正常に行われないと血管が長期間収縮されたままになってしまう。その結果、血管障害が引き起こされ、肩コリや頭 痛、めまいと言った症状が現れる 筋肉の緊張がゆるみ血管が拡張し、血流やリンパ液が全身を循環しやすくなる。そのため、筋肉の間に溜まった疲労物質や新陳代謝によって生まれた老廃物の排出がスムーズに行われるようになる

自律神経失調症とは

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経という2種類の神経のバランスが崩れたためにおこる様々な身体の不調のことです。医学的には、内臓や神経・筋肉などの組織に病的異常がなく、原因も不明であり、自律神経の機能にだけに変化が生じた状態を言います。病的異常がないので病院で検査をしても異常なしという結果になることが多いのです。

自律神経失調症の発症原因には、もともとアレルギー体質であることや、痩せ型である、高血圧、冷え症、性ホルモンの不平衡などが関係します。さらに性格的に短気、生真面目、完全主義、自信欠乏などが因子となり得ます。社会的環境では、仕事上の精神的ストレス、仕事/家庭上の大きな出来事(解雇、転職、家族の死別、離婚など)による精神不安も自律神経バランスを傷害する原因となります。これらは受けるストレスの種類、大きさ、また感受性など個人差も大きく、症状の出方も様々で不安定です。

『自律神経失調症』はいわゆる「不定愁訴」の主要疾患です。不定愁訴全体には、精神的な愁訴がメインの精神疾患であり、パニック障害や強迫性障害などに代表される「神経症」や、身体的愁訴がメインの「心身症」が含まれています。心身症は、精神的な緊張や過大なストレスが原因で生じる身体疾患であり、症状の発生原因や転帰に心因が大きく影響しています。

自律神経失調症の症状

 頭: 頭痛、頭重感、偏頭痛、筋緊張性頭痛、脱毛
 耳: 耳鳴、耳の閉塞感
 口: 口の乾き、口中の痛み、味覚異常
 眼: 疲れ目、眼瞼痙攣、なみだ目、目が開かない、目の乾き(ドライアイ)
 のど: 異物感、圧迫感、イガイガ感、詰まり感(食事の時など)
 心臓・血管系: 動悸、胸部圧迫感、めまい、立ちくらみ、のぼせ、冷え、ほてり、しびれ、血圧の変動、不整脈
 呼吸器: 息苦しい、息がつまる、息ができない、酸欠感、息切れ
 消化器: 食道のつかえ、異物感、吐き気、腹部膨満感、下腹部の張り、腹鳴、胃の不快感、便秘、下痢、ガスがたまる
 手: 手のしびれ、手の痛み、手の冷え
 足: 足のしびれ、足のひえ、足の痛み、足がふらつく
 皮膚: 多汗、汗が出ない、冷や汗、皮膚の乾燥、皮膚のかゆみ
 泌尿器: 頻尿、尿が出にくい、残尿感
 生殖器: インポテンツ、早漏、射精不能、生理不順、外陰部のかゆみ
 筋肉・関節: 首、肩、背中のコリ・痛みやハリ感、関節のいたみ、関節のだるさ、力が入らない
 全身症状: 倦怠感、易疲労感、めまい、微熱、フラフラする、ほてり、食欲がない、不眠(眠れない、すぐ目が覚める、起きるのがつらい)
 精神症状: 感情的(怒りっぽくなる、イライラする、すぐ悲しくなる)、不安感(不安になる、恐怖心におそわれる)、ネガティブ指向(何かと悲観的になる、落ち込むと回復しない、ささいなことが気になる)、無気力(やる気がでない、何もしたくない)、集中力の低下(集中力がない、記憶力や注意力が低下する)

 

 

自律神経失調症と関係の深い病気

症状が特定の部位に強くあらわれた場合は病名がつけられることもあります。以下のような病気は自律神経失調症の一種です。

循環器系 心臓神経症、不整脈、起立失調症候群、起立性調節障害
呼吸器系 過呼吸症候群、気管支ぜんそく
消化器系 過敏性大腸症候群、胆道ジスキネジー、神経症嘔吐症、反復性臍疝痛、神経性下痢
神経系 偏頭痛、緊張性頭痛
耳鼻科 めまい、メニエール病、乗り物酔い、咽喉頭異常感症
口腔外科 口内異常感症、舌痛症、顎関節症
皮膚科 円形脱毛症、発汗異常、慢性じんましん
泌尿器系 膀胱神経症、夜尿症、心因性排尿障害
婦人科 更年期障害

 

 

自律神経失調症の鍼灸治療

西洋医学的には神経症、心身症、自律神経失調症など不定愁訴の治療方法は各々異なりますが、東洋医学では愁訴にかかわらず、自律神経の関与が考えられる点において、共通の治療法で有効な結果を得る場合が多いものです。

共通治療:肺兪・肝兪・腎兪・中脘・天枢などへの鍼、肝兪・腎兪への灸

筋肉のこわばりを主訴とするもの(倦怠感、易疲労、肩こり、関節のこわばりなど):肩井・脾兪・曲池・足三里への鍼、曲池・足三里への灸

神経系愁訴(頭痛、頭重、イライラ感、不眠、めまいなど):天柱・風池・完骨・太陽への鍼、天柱・完骨への灸

循環器系愁訴(動悸、胸部絞扼感、血圧変動、頻脈、のぼせ、足腰の冷えなど):心兪・膻中・郄門・太谿への鍼

消化器系愁訴(胃部のつかえ、軽い胃痛、悪心、嘔吐、口渇などで便秘・下痢を伴いやすい:脾兪・大腸兪・梁門・足三里・三陰交への鍼、脾兪・足三里への灸

呼吸器系愁訴(息苦しさ、息切れ、長期の咳など):中府・尺沢への鍼

皮膚系愁訴(発汗異常、多汗、皮膚掻痒など:肩髎・曲池・築賓・陰谷への鍼、曲池・築賓への灸

泌尿・生殖器系愁訴(頻尿、残尿感、陰萎、月経困難、不感症など):関元兪・次膠・関元・陰谷・三陰交・崑崙への鍼、関元兪・関元への灸

2016年12月5日

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