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三叉神経痛
2016年12月5日
三叉神経痛とは
顔面の表在感覚は、第5脳神経の三叉神経が支配しています。そのため、多くの顔面痛は三叉神経痛が主体となって起きます。三叉神経は、脳神経中で最大の知覚と運動が混合した神経で、側頭骨の錐体先端で三叉神経節を作って膨大し、3本の三叉神経枝を出します。
第1枝は眼神経で、前頭と頭頂の皮膚感覚をつかさどります。その他眼瞼、眼球、鼻粘膜の感覚もつかさどっています。第2枝は上顎神経で、頬部、上唇、側頭部の皮膚感覚をつかさどります。
第3枝は、下顎神経で下顎、下唇、側頭部、耳介の皮膚に分布し、下歯、歯肉、鼓膜、舌の感覚をつかさどり、顎下腺、舌下腺にまで至って分泌作用を支配します。さらに舌下神経、顔面神経と交通して、交感性、副交感性の結合も行います。
三叉神経痛では、原因が不明である特発性(本態性)がほとんどを占めており、中年以降の女性に多く見られます。特発性三叉神経痛の特徴は、疼痛域が局在していること、発作時間が短いこと、誘発帯を持つこと、感覚障害を持たないこと等があげられます。誘発帯と言うのは、接触刺激や温冷刺激で疼痛発作が誘発される部位があるということで、接触刺激は軽い時に触発され、強い圧迫などでは生じません。例えば、日常動作として顔に触れる、ひげそり、口紅ぬり、歯磨き、咀嚼、嚥下、洗面、冷たい食物の摂取等で生じ、食事や会話などが阻害されてしまいます。
三叉神経痛の鍼灸治療と療養
三叉神経痛で激痛を生じるのは、第2枝の上顎神経と第3枝の下顎神経の領域であり、大の大人が号泣するほどの症状は上顎神経の痛みが多いようです。
鍼: 風池、肩井、膏肓
灸: 風池、肩井または膏肓
療養
カイロなどによる保温は局所の血液循環を改善するので勧められますが、高温の入浴は一時的に血管拡張で痛みの改善が得られるものの、後に血管収縮でかえって痛みが増すことになりますので注意が必要です。低温で長時間の入浴かシャワーが良いでしょう。飲酒も入浴と同様なことが起きますので、節酒が肝要です。
2016年12月5日
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