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2022年2月08日
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関節リウマチとは
ウィルスや細菌など異物が体外から侵入してくると、体内ではこの異物を攻撃し排除するしくみが起動します。これを免疫といいます。しかし、何らかの原因で免疫の機能に異常が起こると、体の中のある成分を異物とみなして自分自身を攻撃することがあります。 これを自己免疫疾患と言い、それが関節で起きて炎症が続くと関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して骨や軟骨を破壊してしまいます。やがて関節の機能が損なわれ、放っておくと関節が変形してしまう病気です。その他にも発熱や疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。
関節リウマチが起こりやすい関節
関節リウマチの典型的な症状は、いくつかの関節が左右対称に腫れて痛むことです。関節リウマチは、首の関節以外の背骨の関節には起きませんが、多くが手首や手指関節を侵します。それらはこぶしの関節であったり、指の真ん中の関節であったりします。また、足の指の付け根などの小さな関節のほか、足首、肩、ひじ、ひざ、股関節などの関節に起こることもあります。腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点です。
関節に起こる症状
・朝のこわばり
朝、目覚めたときに手や足の指などの関節が動かしにくく感じることがあります。これは、睡眠により長時間関節を動かしていないことによるもので、関節を動かすことで緩和されます。朝のこわばりは、病状が進行するにつれ持続時間も長くなりやすい傾向にあります。
・関節炎
関節に痛みや腫れが生じたり、熱をもっているように感じたりすることがあります。軽快と再燃を繰り返します。リウマチの関節炎は複数の関節で起きる「多発性」であり、左右対称に痛みが起きる「対称性」であり、さらに全身のあちこちに現れる「移動性」です。
・関節変形
関節炎が進行すると、関節の軟骨や骨が破壊され特有の関節変形が起こります。
- 関節に痛みが生じたり、熱をもって腫れたりする。
- 関節の痛みや腫れが左右対称に現れる。
- 多くの関節が同時に腫れたりする。
- 37℃台の微熱や、倦怠感、食欲不振が続く。
関節リウマチの現状
現在、全国で関節リウマチに悩む方は70万人とも100万人ともいわれ、その数は高齢化にともない年々増加する傾向にあります。男女の割合は1対4と圧倒的に女性に多く、発症年齢は30~50歳代、とくに40歳代がもっとも多いですが、60歳以降に発症する方も少なくありません。
早期発見、早期治療
近年、新薬の開発などでリウマチ治療は劇的に改善され、多くで早期の治療が奏功し、痛みや腫れがコントロールできるようになりました。そして、コントロールができれば関節が壊されていくのも防げるようになり、関節破壊により手術をするようなケースもかなり少なくなっています。
関節リウマチの鍼灸治療
関節変形が起きた状態では鍼灸は対処できませんが、早期に投薬治療と並行して鍼灸療法を行うのは、炎症を早く消失させ痛みを軽減するのに効果的ですから、積極的に行うことが勧められます。
手の関節の鍼灸治療の場合は以下のとおりです。痛みが強い場所には施灸を行います。
鍼灸: 陽池、陽谷、曲池
全身治療の場合は、副腎皮質ホルモンの分泌を促進し、内分泌系の調整を行うため以下のツボを使用します。
鍼: 三焦兪、腎兪、風池
灸: 腎兪
療養指示
痛みのため安静を続ける結果、血行障害によって筋力の低下や筋萎縮を生じ、また、関節の可動域が小さくなっていく傾向があります。これを防止するためには、歩行など負担の少ない有酸素運動や筋力アップの運動を行うことが勧められます。ただし、運動後に痛みが1時間以上続く場合は運動量が多すぎると判断します。運動は生涯にわたる健康を増進し、関節への負担を減らします。
入浴は38~40℃で20分間ほど行うのがよいでしょう。高温短時間浴は避けねばなりません。ただし、関節の発熱が強いときは入浴せず、シャワーで済ませなければなりません。また、入浴の翌日に痛みが増すようであれば、入浴は止めた方が良いでしょう。