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嚥下障害が起こる原因の一つは加齢によるものです。通常、人が嚥下する際は喉頭が持ち上がって喉頭の入り口がふさがれるのが、加齢に伴って安静時も嚥下の際に最も高く上がる位置(最大挙上位置)も下がってきます。喉頭を完全にふさぐために上がるべき位置は変わらないため、高齢者が喉頭をより高く持ち上げなければならず、誤嚥しやすくなります。また、加齢によって筋肉量や筋力が低下する「サルコペニア」になると、本来嚥下に必要な速度で喉頭を持ち上げたり、咽頭を収縮したりできなくなり、誤嚥が目立つようになります。
それ以外にも、口腔から胃に至るまでの消化管自体の障害(食道癌、食道憩室、食道狭窄)で起きるほか、食堂周辺の臓器からの圧迫(甲状腺、縦隔腫瘍)または、神経系疾患からも嚥下障害が起きます。
嚥下障害の共通鍼灸治療
鍼: 水突、天突、膻中、心兪、膈兪、足三里
灸: 膈兪、脾兪、巨闕
類別治療
・肺経の病変
風邪に冒されやすい、皮膚の色が白い、咳が出やすい、発汗しやすい、肺経の経絡に圧痛がある等の症状
鍼: 肺兪、孔最
・脾経の病変
食欲不振、消化不良、腹部膨満、筋肉軟弱、腹痛、下痢などの症状が出やすい
鍼: 脾兪、胃倉、中脘、三陰交
・腎経の病変
腰や下肢の冷感、足部のほてり、のぼせ、下腹痛、下腹膨満、寝汗、倦怠感などの症状が現れやすい
鍼: 腎兪、関元、復溜